今日は久留米市安武町の住宅地にあるSさんのお宅にやってきました。
庭園空間ラボ上田剛に剪定された柳を見てどうですか?
年中、この美しさを保とうと思うんですけど、1ヶ月忘れたらもう暴走状態になっちゃいますね。(笑)
さすがやなぁ、上田さん。トライアスロンはじめてなんか変わったんじゃないかな~美への感覚が変わったのかな。あの泳げなかった上田さんが。(笑)
庭園空間ラボ上田剛を知ったきっかけから教えてください。
最初は妻がですね、インターネットで見つけたんですよ。もともとは、この家を建てた住宅会社に外構もお願いしていたんです。
建築屋さんに外構もお願いしてデザイン画を見せてもらったら、出てきたデザインとその金額が全然合わなかったんですよ。こんなデザインで、こんな値段じゃないでしょ?これなら私でもできますよって。(笑)
で、みんなに聞いてみたら、そら建築メーカーさんにお願いしたらそんなもんだよって言うんですよ。でも、いやそれは違うだろう!って夫婦で話してて、自分たちで探すことにしました。住宅メーカーさんに「もう悪いけど、建てた後の外構は自分たちの方で探します。」って伝えたら、「なんかトラブルがあった時には責任持てませんよ」とか言われたんですけどね。(笑)
妻が上田さんの庭園空間ラボを見つけて相談してみたら、最初は「県外だから・・・遠いから・・・」って、難しいかなぁって感じだったんですが、何回か連絡していたうちに「じゃ、やってみましょうか」ってことで、まずは来てもらったんです。そしたら、庭を見た瞬間に「あ、これなら良いイメージあるよ!!」って言ってもらいました。
木が2本くらいで後は真砂土をひいただけで保育園のグラウンドになりそうだった庭が、石からストーリーがはじまって、「ここやったら八女の白石と耳納の青石入れたいねって。」上田さん、言ってる意味がまったくわかりません!って、「じゃ、見に行く?って」そこからはじまったんです。やっぱり、そこなんですよね。庭を見て、その土地を見て、イメージが湧いて、提案できる武器がいっぱいあって、フットワークが軽くてささっと観に行きましょうかって、住宅メーカーさんと上田さんには、その差はありましたね。さすがだなぁと。
家族みんなで石切り場に石を見に行ったらこの子がね。この石からどかずにずっと座っていたんですよ。じゃぁ、これにしましょうかって。それなのに、庭に置いたら座るのはコッチの石。(笑)
庭のバーベキューで、椅子が要らないんですよ。この石に座って飲んで食べてます。
庭園空間ラボ上田剛の造った庭について、満足度はいかがですか?
いやいやもう、期待以上だったので、最初に提案されたハウスメーカーさんの提案に比べたら100倍以上の完成度だったので、ちゃんと才能のある人にお願いしてよかったと思いますね。
庭のデザインで、家だけをカッコよく見せようとするハウスメーカーさんのやり方は、家を売るだけならそれでいいんですけど、その土地にその家が建って、ちょっとそれダサくない?ってことがあると思うんですよ、CGの中ではいいんですけどね。
結局、何が違うのか?って言ったら、ここ(庭に置かれた3つの石)の部分だと思うんですよ。上田さんの造る庭の中であれば、例えばこの家が無くて、代わりにあるのがハンモック1つだったとしても画になると思うんですよ。そう考えると、こっちの方が重要ですよね。
それ(コンセプトや心)があると、たぶん家やここの価値が高くなると思うので、例えば会社の都合で海外に引っ越すことがあった場合、「売れるようなモノにして欲しい!」と上田さんにはお願いしたんです。
造園家上田剛について、ひと言で紹介すると?
なにを言っても「あっ、いいね!!」って言って、(実際に)してくれる人ですね。
なんだろう?お願いする人ってたぶん、スペシャリストの人より良いアイデアが出ることはないじゃないですか。
でも、なんか(自分としては)やりたいコトを言いたいわけですよ。でも、それが、画にも描けない、チグハグなツギハギだらけの表現を上田さんにぶつけるしかないんですよね。そしたら、絶対それを超えるモノを出してくれる人、そこは大きいでしょうね。そういう人かな、上田さんって。
表の駐車スペースの一角には、手型とビー玉が埋め込まれた部分があります。家族の想い出が刻み込まれて、子どもたちの成長を見守ってくれることでしょう。
石探しの様子
南庭とアプローチの素材を石をメインにつくりました。
家の基礎工事が始まる前の昨年の夏に石選び、息子さんが石をチョイス。3tぐらいはあります。
アプローチの石は八女石の平大判。伸びやかなラインを作ってくれます。素材自体が柔らかいので多く使っても優しい雰囲気になります。苔ものりやすく樹々の下はまた違った表情になります。
パパは靴デザイナーなので靴跡をつけて走り抜けて行きました。B玉もね。
嬉しいのは作ってる最中からご近所さんの注目度が高くて、出来てからも家人の地区との付き合いの中で「あゝあの石の庭があるところ!」と会話が続いて誰がデザインしたんですかと訊かれるらしい。
そしてお施主さん本人曰く、将来家を売るときには付加価値が着いた状態で売りたいと思ってたのでうちにお願いしたと言われたことでした。以前、アメリカでホームステイ先のママが庭を綺麗にしてたので高く売れたのよという話を聞いて日本もいずれそういう付加価値を認められる国になればいいなと思ってずっとやってきたのでこの言葉は嬉しい。これからも日本美の付加価値をもって挑んでいきます。